Episode2; こだわりの味を家庭でも楽しんでいただきたい

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2025.03.11
戦後すぐに嘉手納の米軍基地の近くに開店したステーキハウス「ニューヨークレストラン」。
現在は那覇西に移転し、名前を「ジャッキーステーキハウス」に変えて4代目である長田就高(ながた なりたか)さんが経営されています。
頑張れば自分の代で創業100年になるからと、今も昔も変わらぬ味で沖縄に根ざし、老舗ステーキハウスを大切に守っています。
「沖縄に来たら食べに行った方がいいよ」など、たくさんのお客様の口コミで今や観光客からも大人気の「ジャッキーステーキハウス」にも、
あの苦しい時期はありました。新型コロナウィルスによる緊急事態宣言です。
コロナ中も休業はしなかったのでしょうか?
そうですね。実は営業を続けることはスタッフの希望でもありました。今まで毎日働きに出ていた中で急にお休みが続くと気がおかしくなってしまいそうだからと、営業を続けてほしいという意向もあってコロナ中も休業せず、テイクアウトのみにしたり時短営業でなんとかお店を営業していました。
ただ売り上げも減る一方だし、客数も少ないのでスタッフさんにも仕事が与えられなくてどうしようかと考えてはいました。
コロナ前からネット通販でオリジナルのTシャツ販売などをしてはいましたが、そのサイトにリピーターのお客様から「あのスープも売ってほしい」とリクエストいただく事が増えてきました。
きっとみなさんもコロナ中、旅行にも行けないから沖縄が恋しかったのでしょうね。 自分たちもいい意味で時間が出来たし、だったら挑戦してみようかとなったんです。
通信販売できる商品の開発ですね?
はい、お客様からジャッキーのステーキが食べたい、スープが飲みたいとリクエストいただくようになったタイミングで、ちょうど瞬間冷凍が出来る機械を紹介いただけて、 すぐに導入して、店舗で提供するお肉と同じ状態を保ったまま冷凍発送が出来るようになりました。

テイクアウト用に開発された商品(一部)


苦労したのはオリジナルスープの開発でした。スープを瞬間冷凍してみたりもしたのですが、どうしてもお店の味に戻らなくて・・・
レトルトにするのがいいのかなと悩んでいるのと同じ時期に、食品開発の営業さんなどから一緒にコラボして商品開発しませんかとお声かけいただく事も増えてきて。 それでまず開発したのがポテトスナックでした。
ジャッキーのステーキ味のスナック菓子ですね。
そうです。お店で提供しているステーキをスナックにして楽しんでもらおうと、店内で提供しているステーキと付け合わせをひとつにまとめた
完全オリジナル生地のポテトスナックです。
沖縄を盛り上げようということでオキコ㈱さんと共同開発することになっていたのですが、ある日、通信販売でお肉の注文が入って、発注先がポテトスナックを開発してくれるパッケージ会社さんだったんです。
僕たちのステーキの味を工場に伝えるためにわざわざネット注文で取り寄せてくれているって知ってとても嬉しかったです。 とても信頼できるパッケージ会社と工場でこだわりのポテトスナックを開発することができました。

それから、その流れでレトルト工場を紹介してもらい、開発に行き詰っていたオリジナルスープも、その工場となら出来るかもしれないと思ってお願いすることにしました。
その後のスープ開発は順調に進みましたか?
結局、今の商品に至るまでは試作だけで1年位かかりました。一番最初に持ってきてくれたのは味が再現出来ていなくて、叔母もこれではダメだねと。

お店で提供しているオリジナルスープ。セットには必ずこのスープとサラダが付いてくる。


お客様も知っているあの味だからこそ、しっかり再現したいですよね。
そうですね、せっかくご購入くださったのに「あれ?なんか違うな」って思ってもらいたくないですし、ここは妥協せず、何度も試作を作ってもらいました。
レシピも提供して、作る手順も細かく伝えていましたが、水が違うんじゃないかとか色々試行錯誤してもらって、もうこれでダメだったら諦めようかという所まで実際きてしまったのですが、その最後の最後に求めていた味になって、ようやく商品化出来ることになりました。
納得のいくまで開発に付き合ってくれたパッケージ会社や工場にも感謝です。
でもこのスープ、まだまだ厄介で(笑)

商品パッケージに「※湯煎後よく振ってください」と書かせてもらっているのですが、普通はこういった商品はお皿に移して電子レンジで温めてお召し上がりいただく事も出来ると思うのですが、このスープはそれだとお店の味にならないんですよ。
でもこのスープ、まだまだ厄介で(笑)

商品パッケージに「※湯煎後よく振ってください」と書かせてもらっているのですが、普通はこういった商品はお皿に移して電子レンジで温めてお召し上がりいただく事も出来ると思うのですが、このスープはそれだとお店の味にならないんですよ。
すごく詳細に召上がり方が書かれていますね!
そうなんですよ、湯煎したあとの振り方も縦に振るのではなくて、ちゃんと横に寝かして約20回位よく振ってもらわないとお店の味にならない。だからお召し上がりの際はしっかり振ってからお皿に移してくださいね。
ビーフステーキサルサは、お店のメニューにはないですよね?
そうです。ただ、祖父の頃に提供していたメニューの中の「チリコンカン」という料理がルーツではあります。
商品化のきっかけは保存食にもなるし、お肉を手軽に食べてもらえるような商品も作りたいという所からですが、ニューヨークに遊びに行ったときに南部の黒人の方の郷土料理を食べさせてもらって。 その郷土料理とチリコンカンをミックスしたような感じの味付けにしました。

当時の味を再現したというビーフステーキサルサ



結局、なにか新しいメニューを作ろうかとなった時には昔のメニューが一番参考になるんですよ。お店の基盤になっていますからね。



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ジャッキーステーキハウスは創業当時から変わらないメニューを提供しつつも、時代に合わせて小さな進化と努力を積み上げているからこそ、今もなお愛され続ける老舗店として沖縄に根ざしていました。
これからも創業者である長田忠彦さんの想いやお店のモットーを大切に、創業100年を目指すジャッキーステーキハウスを応援していきたいですね。