2025.06.01
沖縄県那覇市牧志、沖縄モノレール「ゆいレール」牧志駅から徒歩で約10分ほどの場所にある、外観がおしゃれなクラフトショップ「tituti OKINAWAN CRAFT」(以下、tituti)

お店から大通りを挟んですぐの場所には沖縄の陶芸工房や焼物博物館など、伝統的なやちむん(沖縄方言で焼き物の意味)関係のお店が並ぶ壺屋やちむん通りがあります。
「tituti(ティトゥティ)」のある場所は、やちむん好きの地元の人や国内外の観光客が行き交う大通りに面しています。
「tituti(ティトゥティ)」のある場所は、やちむん好きの地元の人や国内外の観光客が行き交う大通りに面しています。
「tituti」が始まるきっかけ

「tituti」の店内は、色鮮やかなやちむんと華やかで思わず手に取りたくなるような可愛い工芸品がたくさん置いてあり、明るい印象です。 商品が整然と並んでいるわけではなく、どこか日常の暮らしが垣間見えるようなエッセンスが加わっていて、使い心地を想像しやすい空間になっています。
そんな店内でパッと華やかな笑顔の女性たちが迎えてくれました。
「tituti」を共同運営しているインテリアコーディネーターの金城雅子さん、染織作家の長池朋子さん、紅型作家の田中紀子さんと陶芸作家の金城有美子さんです。
今回はこの4人の女性たちと「tituti」が始まるきっかけをご紹介します。
そんな店内でパッと華やかな笑顔の女性たちが迎えてくれました。
「tituti」を共同運営しているインテリアコーディネーターの金城雅子さん、染織作家の長池朋子さん、紅型作家の田中紀子さんと陶芸作家の金城有美子さんです。
今回はこの4人の女性たちと「tituti」が始まるきっかけをご紹介します。

写真前列左から金城雅子さん、長池朋子さん。後列左から田中紀子さん、金城有美子さん。
まずはこの4名でtitutiを始めるきっかけを教えてください。

金城雅子さん(以下、雅子さん)
4人の出会いの場は「沖縄新工芸研究会」という場所です。 当時は20名ほどの沖縄の工芸作家が集まって、色々相談をしながら沖縄の新しい工芸の形を探る目的で結成された研究会でした。 もう20年前くらいになりますね。
4人の出会いの場は「沖縄新工芸研究会」という場所です。 当時は20名ほどの沖縄の工芸作家が集まって、色々相談をしながら沖縄の新しい工芸の形を探る目的で結成された研究会でした。 もう20年前くらいになりますね。
金城雅子さん(以下、雅子さん)
4人の出会いの場は「沖縄新工芸研究会」という場所です。 当時は20名ほどの沖縄の工芸作家が集まって、色々相談をしながら沖縄の新しい工芸の形を探る目的で結成された研究会でした。 もう20年前くらいになりますね。
4人の出会いの場は「沖縄新工芸研究会」という場所です。 当時は20名ほどの沖縄の工芸作家が集まって、色々相談をしながら沖縄の新しい工芸の形を探る目的で結成された研究会でした。 もう20年前くらいになりますね。

金城有美子さん(以下、有美子さん)
こっち(長池さんと田中さん)とは大学の先輩後輩です。 面識があるくらいで在学中は特に関わりはなかったけどね。
こっち(長池さんと田中さん)とは大学の先輩後輩です。 面識があるくらいで在学中は特に関わりはなかったけどね。
金城有美子さん(以下、有美子さん)
こっち(長池さんと田中さん)とは大学の先輩後輩です。 面識があるくらいで在学中は特に関わりはなかったけどね。
こっち(長池さんと田中さん)とは大学の先輩後輩です。 面識があるくらいで在学中は特に関わりはなかったけどね。

田中紀子さん(以下、紀子さん)
長池さんと私は同級生です。 でも、一緒に研究会に所属しようと誘い合ったわけではないですね。
長池さんと私は同級生です。 でも、一緒に研究会に所属しようと誘い合ったわけではないですね。
田中紀子さん(以下、紀子さん)
長池さんと私は同級生です。 でも、一緒に研究会に所属しようと誘い合ったわけではないですね。
長池さんと私は同級生です。 でも、一緒に研究会に所属しようと誘い合ったわけではないですね。

長池朋子さん(以下、朋子さん)
そうそう、たまたま一緒になって、そこで有美子さんとも再会したという感じです。
そうそう、たまたま一緒になって、そこで有美子さんとも再会したという感じです。
長池朋子さん(以下、朋子さん)
そうそう、たまたま一緒になって、そこで有美子さんとも再会したという感じです。
そうそう、たまたま一緒になって、そこで有美子さんとも再会したという感じです。

ー雅子さん
研究会では沖縄物産展などで作品を展示する機会はあったのですが、販売はしていませんでした。そんな時に来ていただいたお客様から「どこで買えるの?」という声が増えていって。 だったら実店舗を作って販売してみようと。
そのお店の名前が「tituti OKINAWAN CRAFT」です。
研究会では沖縄物産展などで作品を展示する機会はあったのですが、販売はしていませんでした。そんな時に来ていただいたお客様から「どこで買えるの?」という声が増えていって。 だったら実店舗を作って販売してみようと。
そのお店の名前が「tituti OKINAWAN CRAFT」です。
当初からこの場所でオープンしたのですか?
ー雅子さん
ここは3店舗目。ずっと牧志周辺ですが、最初は古民家を借りて自分たちで改装しました。
ー有美子さん
壁を塗装したり、発電機を借りてきたりしてね。
ー雅子さん
当初の立ち上げメンバーには男性も数名いて、その方たちの力も借りながらみんなで作り上げました。
当時は漆や木工など多方面の工芸作家の方々と活動していました。
ここは3店舗目。ずっと牧志周辺ですが、最初は古民家を借りて自分たちで改装しました。
ー有美子さん
壁を塗装したり、発電機を借りてきたりしてね。
ー雅子さん
当初の立ち上げメンバーには男性も数名いて、その方たちの力も借りながらみんなで作り上げました。
当時は漆や木工など多方面の工芸作家の方々と活動していました。
では、沖縄の民芸が集約された実店舗のようなイメージですか?
ー有美子さん
集約っていう程ではないかもしれないけど、異分野の工芸品が集まったイメージです。
当時の工芸作家の悩みとして、大学卒業後に作品を置ける場所がありませんでした。 今みたいなカフェやセレクトショップがなくて、県内で作品を卸す場所がなかったんです。
お土産屋さんとか大量に生産して販売するような場所だと私たちのようなクラフトアイテムは合わない。
ー雅子さん
あとは工芸品として重々しく展示販売されるか、織物組合などを通して組合名で販売するかしかなかったですね。 だからtitutiの開業当初は他にはなくて面白い取り組みということで注目もされていました。
集約っていう程ではないかもしれないけど、異分野の工芸品が集まったイメージです。
当時の工芸作家の悩みとして、大学卒業後に作品を置ける場所がありませんでした。 今みたいなカフェやセレクトショップがなくて、県内で作品を卸す場所がなかったんです。
お土産屋さんとか大量に生産して販売するような場所だと私たちのようなクラフトアイテムは合わない。
ー雅子さん
あとは工芸品として重々しく展示販売されるか、織物組合などを通して組合名で販売するかしかなかったですね。 だからtitutiの開業当初は他にはなくて面白い取り組みということで注目もされていました。
名前の由来と想い

ところで、店舗名を「tituti OKINAWAN CRAFT」とした理由はなんでしょうか?
ー雅子さん
立ち上げメンバーとして店舗のブランディングに携わってくれた方が名付け親です。 彼も名前は金城さん。
当初は3名の金城で営業に回ることも多かったのでややこしかったですね(笑)
ー有美子さん
営業先に私が冗談で「門中(むんちゅう)*1です」って言うと彼はすかさず「違います!」って否定してね。面白かったね。
*1:門中とは沖縄方言で親戚の意味。
ー雅子さん
店舗名を考えてるときに彼が「tituti」という言葉をもってきてくれました。 沖縄の方言で「手と手」という意味です。
沖縄の工芸作家と、使い手となるお客様とを繋ぐ。お店のコンセプトにぴったりでした。 あとは「OKINAWAN CRAFT」という表現の仕方。
当初はどうしても工芸が先行して、そこに新しい風をという意味で「新工芸」としたのですが、実際商品を販売するとなったときに工芸という響きはちょっと重い表現になってしまって。
なのでやんわりと「クラフト」という言葉で表現して柔らかさと意味合いに広がりを与えました。 「沖縄の工芸」となると伝統的な意味合いが強くなってしまうけど、「OKINAWAN CRAFT」とすることで身近に感じてもらえるし、今でもこの言葉はちゃんと時代にフィットしてる。 とても大切な言葉です。
立ち上げメンバーとして店舗のブランディングに携わってくれた方が名付け親です。 彼も名前は金城さん。
当初は3名の金城で営業に回ることも多かったのでややこしかったですね(笑)
ー有美子さん
営業先に私が冗談で「門中(むんちゅう)*1です」って言うと彼はすかさず「違います!」って否定してね。面白かったね。
*1:門中とは沖縄方言で親戚の意味。
ー雅子さん
店舗名を考えてるときに彼が「tituti」という言葉をもってきてくれました。 沖縄の方言で「手と手」という意味です。
沖縄の工芸作家と、使い手となるお客様とを繋ぐ。お店のコンセプトにぴったりでした。 あとは「OKINAWAN CRAFT」という表現の仕方。
当初はどうしても工芸が先行して、そこに新しい風をという意味で「新工芸」としたのですが、実際商品を販売するとなったときに工芸という響きはちょっと重い表現になってしまって。
なのでやんわりと「クラフト」という言葉で表現して柔らかさと意味合いに広がりを与えました。 「沖縄の工芸」となると伝統的な意味合いが強くなってしまうけど、「OKINAWAN CRAFT」とすることで身近に感じてもらえるし、今でもこの言葉はちゃんと時代にフィットしてる。 とても大切な言葉です。

作家自ら接客も行うお店
作家のみなさんも実際に店舗に立たれていると伺いました。
ー有美子さん
私はこう見えて人とお話するのが苦手で(笑) 陶芸作家は人と会わないですむと思ったから選んだ道でもあるくらい。
だから最初は何を話していいかも分からなかったけど、来店されるお客様に「実はこれ、私が作っているんですよ」と伝えると想像以上に喜んでくれて、私も嬉しくなるんです。 だから直接会話することも大事だなと思っています。
ー朋子さん
あとはお客様が望んでいるものとか、もうちょっとこうだったらよりいいな等のお声が直接聞けてとても参考になりますし、新しい発見に繋がったりもしますね。 会話の中でお店のコンセプトというか、なぜ作家自身が売り手として店舗に居るのかとか自然と伝えることができて、お客様もそういったストーリーを知った上でご購入していただけます。
ー紀子さん
制作の励みにもなりますね。 私の場合は紅型の額絵とか飾り物が作品としてある中で、お客様との会話でどこに飾ろうか、玄関か、リビングか、など具体的な会話が弾んで、実際に飾ってくれている様子が想像できるのも次の制作に向けての意欲に繋がります。
私はこう見えて人とお話するのが苦手で(笑) 陶芸作家は人と会わないですむと思ったから選んだ道でもあるくらい。
だから最初は何を話していいかも分からなかったけど、来店されるお客様に「実はこれ、私が作っているんですよ」と伝えると想像以上に喜んでくれて、私も嬉しくなるんです。 だから直接会話することも大事だなと思っています。
ー朋子さん
あとはお客様が望んでいるものとか、もうちょっとこうだったらよりいいな等のお声が直接聞けてとても参考になりますし、新しい発見に繋がったりもしますね。 会話の中でお店のコンセプトというか、なぜ作家自身が売り手として店舗に居るのかとか自然と伝えることができて、お客様もそういったストーリーを知った上でご購入していただけます。
ー紀子さん
制作の励みにもなりますね。 私の場合は紅型の額絵とか飾り物が作品としてある中で、お客様との会話でどこに飾ろうか、玄関か、リビングか、など具体的な会話が弾んで、実際に飾ってくれている様子が想像できるのも次の制作に向けての意欲に繋がります。
暮らしのなかに沖縄の工芸品を

店舗の内装やレイアウトも素敵ですね。
ー有美子さん
全部、雅子さんにお任せです(笑)
ー雅子さん
私はインテリアコーディネーターなんです。 新工芸研究会でもインテリアコーディネーターとして関わりを持っていました。
立場としては間を取り持つ調整役みたいなイメージですね。 私自身がもともと沖縄の文化や工芸が好きで、titutiに関わる以前からコーディネートの中に沖縄のクラフトを取り入れていました。
例えばモデルルームでは紀子さんの紅型額絵を壁に飾ったり、テーブルコーディネートで琉球ガラスや、やちむんを飾ったりしてきました。 このお店のコンセプトには「暮らしのなかに沖縄の工芸品を」という大きなテーマがあります。
工芸品として部屋に飾るという使い方だけではなくて、暮らしの中で日常的に使ってもらいたいという思いがあります。なので店内では「暮らしのなか」という視点を大事にしながらコーディネートしています。
ー有美子さん
立ち上げ当初はコーディネートも大変だったと思いますよ。
ー朋子さん
そうなんです、商品も少ないし、作風もバラバラだしね。
ー有美子さん
当時は商品を出したり引いたりしながらよく悩んでいたように見えましたね。 合わせるのが大変だったと思いますよ。
月1回とかで顔合わせてミーティングしてどう組み合わせていくかとか話し合いを重ねてきて、今では何も言わずともtitutiとして出す作品は自然と組み合わせが合うようになってきました。 お互いがお互いの作品を見るようになってきたからかな。
全部、雅子さんにお任せです(笑)
ー雅子さん
私はインテリアコーディネーターなんです。 新工芸研究会でもインテリアコーディネーターとして関わりを持っていました。
立場としては間を取り持つ調整役みたいなイメージですね。 私自身がもともと沖縄の文化や工芸が好きで、titutiに関わる以前からコーディネートの中に沖縄のクラフトを取り入れていました。
例えばモデルルームでは紀子さんの紅型額絵を壁に飾ったり、テーブルコーディネートで琉球ガラスや、やちむんを飾ったりしてきました。 このお店のコンセプトには「暮らしのなかに沖縄の工芸品を」という大きなテーマがあります。
工芸品として部屋に飾るという使い方だけではなくて、暮らしの中で日常的に使ってもらいたいという思いがあります。なので店内では「暮らしのなか」という視点を大事にしながらコーディネートしています。
ー有美子さん
立ち上げ当初はコーディネートも大変だったと思いますよ。
ー朋子さん
そうなんです、商品も少ないし、作風もバラバラだしね。
ー有美子さん
当時は商品を出したり引いたりしながらよく悩んでいたように見えましたね。 合わせるのが大変だったと思いますよ。
月1回とかで顔合わせてミーティングしてどう組み合わせていくかとか話し合いを重ねてきて、今では何も言わずともtitutiとして出す作品は自然と組み合わせが合うようになってきました。 お互いがお互いの作品を見るようになってきたからかな。

作ってきたものが変わってきたということですか?
ー有美子さん
変わってきましたね。 朋子さんのコースターがこうくるなら、自分はこの色のカップを作ろうとか。
色の合わせとかサイズ感とか考えるようになりました。
ー雅子さん
一緒にいると無意識に協調し合うようになっているのかもしれませんね。
この3人はきっと作品を作っているときは深く考えていないかもしれないけど、無意識に配色や色のトーンを合わせてくれるようになっているから今のtitutiの店内はより「暮らしのなか」をイメージしやすい統一感のあるコーディネートになっているんだと思います。
変わってきましたね。 朋子さんのコースターがこうくるなら、自分はこの色のカップを作ろうとか。
色の合わせとかサイズ感とか考えるようになりました。
ー雅子さん
一緒にいると無意識に協調し合うようになっているのかもしれませんね。
この3人はきっと作品を作っているときは深く考えていないかもしれないけど、無意識に配色や色のトーンを合わせてくれるようになっているから今のtitutiの店内はより「暮らしのなか」をイメージしやすい統一感のあるコーディネートになっているんだと思います。

インタビュー中は、終始和気あいあいと会話が弾み、笑いが絶えない4人の素敵な女性たち。
その雰囲気がそのままお店の明るい印象に繋がっているように感じました。
今回ご紹介した4名は不定期にてお店の接客対応もされています。土日に居ることが多いそうですよ。
沖縄にお越しの際は「tituti OKINAWAN CRAFT」に会いに行ってみてはいかがでしょうか。
沖縄クラフトをより深く、より身近に暮らしのなかに取り入れるきっかけを与えてくれるかもしれません。
tituti OKINAWAN CRAFT
〒900-0013 沖縄県那覇市牧志3-6-37
営業時間 9:30から17:30※火曜定休
つくり手の紹介
陶芸作家 金城有美子さん

沖縄県立芸術大学で陶磁器を学び、その後国内、アジア各国にて展示やインスタレーションを行う。沖縄の自然を感じる力強く繊細な造形、強い太陽に照らされたような色彩は『金城有美子』を見事に体現しており、各方面より大きな評価を得ている。
織物作家 長池朋子さん

沖縄県立芸術大学にて織物を学ぶ。一本一本の糸から紡がれる緻密で丁寧な仕事を土台に、現代的でありながら伝統を感じさせる色彩、手法の多様性、それぞれの技術を昇華させた美しさを感じることができる。
紅型作家 田中紀子さん

沖縄県立芸術大学にて染めを学ぶ。細部の繊細さを感じさせながらも大胆な構図から、一つの絵画のように圧倒的な存在感をもつ。眩しい空に浮かぶ残像のような色彩が、沖縄の一瞬を印象的に切り取る。
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沖縄の旬の情報や、生産者・つくり手の想いなど、沖縄を拠点とする私たちならではの視点で
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